歯周病の検査方法は? 原因・治療法・自分でできる対策を知ろう!

「歯がグラグラしている」「歯磨きをすると血が出る」という方は、もしかしたら歯周病の恐れがあるかもしれません。その場合、放置すると自分の歯を失う恐れがあるため、早めの治療が必要です。適切な治療を受けるために大切なのが、歯周疾患を見分け、診断する検査となります。本記事では、歯周病の検査方法・治療法・予防策などを解説しましょう。

  1. 歯周病の原因とメカニズム
  2. 歯周病の検査方法は?
  3. 歯周病の治療方法は?
  4. 歯周病のセルフチェック法
  5. 歯周病を予防しよう!
  6. 歯周病に関してよくある質問

この記事を読むことで、歯周病の治療に必要な知識が身につきます。悩んでいる方や不安な方は、ぜひ参考にしてください。

1.歯周病の原因とメカニズム

まずは、歯周病の原因とメカニズムなど基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.歯周病は歯周組織を破壊する炎症性疾患

歯周病は、細菌の感染によって歯周組織を破壊し、その機能を損傷する炎症生疾患のことです。基本的に、歯周組織はセメント質・歯根膜(しこんまく)・歯肉(しにく)・歯槽骨(しそうこつ)から構成されています。歯と歯肉の境目(歯周ポケット)に多くの細菌が蓄積されると、歯肉の周辺が炎症を起こし赤く腫れあがるのです。そして進行すると、歯周ポケットが深くなり、歯を支える土台の歯槽骨が溶けて歯が動くようになります。この状態が歯周病です。

1-2.歯周病でよくある症状をチェック!

歯周病でよくある症状は、歯肉の部分が赤く腫れあがることです。この時点で痛みはほとんどありませんが、歯磨きをすると血が出てきたり、冷たい飲み物を口の中に入れるとしみたりすることがあります。また、歯周ポケットに細菌などが蓄積されるため、口臭がひどくなるのも歯周病の代表的な症状の1つです。

1-3.歯周病を引き起こす原因は「細菌」

ほとんどの歯周病は、口腔常在菌や外来性菌のプラーク細菌が原因で引き起こされます。歯周病を引き起こす直接因子は以下のとおりです。

  • プラーク(歯の表面に付着した細菌)
  • 歯石(細菌などが集まり石灰化したもの)
  • 歯と歯の間に挟まった食べ物のカス
  • 親知らず
  • 不適合な修復物
  • 歯ぎしり
  • 喫煙
  • 歯並びの悪さ
  • 歯の形態異常や口腔前庭異常など

1-4.歯周病を放置すると自分の歯を失うリスクが高まる

歯周病を放置すると歯槽骨が溶け出し、最終的には歯が抜けてしまいます。自分の歯を失うリスクがどんどん高まるため、歯周病は早めの治療が大切です。また、歯周病の進行過程には、健康な状態→歯肉炎→歯周炎(軽度)→歯周炎(中度)→歯周炎(重度)の5つの段階があります。それぞれの特徴を以下にまとめました。

  1. 健康な状態:歯周ポケットが1~2mm程度で歯茎はピンク色
  2. 歯肉炎:プラークがたまり、歯周ポケットが2~3mmと深くなる
  3. 歯周炎(軽度):歯茎の炎症がひどくなり、歯槽骨と歯根膜が破壊され始める
  4. 歯周炎(中度):歯槽骨が半分近くまで破壊され、歯がぐらつき始める
  5. 歯周炎(重度):歯槽骨が半分以上破壊され、歯がぐらぐらな状態

2.歯周病の検査方法は?

検査では、歯周病がどのくらいまで進んでいるのか分かります。ここでは、歯周病の具体的な検査方法について解説しましょう。

2-1.口腔内検査と個々の検査

歯周病の検査は、口腔内診査と呼ばれる方法が一般的です。口腔内診査では、問診・視診・レントゲン写真・臨床的な口腔内記録などから診察を行います。臨床的な口腔内記録は、歯周ポケット測定と測定時の出血有無・残存歯と隣在歯との接触関係・付着歯肉の状態などを確認する内容です。口腔内の状況を具体的に調べることで、歯周病の状態をチェックします。また、状態によっては以下のような個々の検査も行うことがあるので要チェックです。

  • 歯肉の炎症がひどい場合:浸出液中の白血球数・BOP(プローピング時の出血)など
  • 歯槽骨に変化がある場合:コンピュータートモグラフィによる立体型模型など
  • アタッチメントレベル
  • 免疫反応

2-2.検査で歯周病の進行具合や状態が分かる

歯周病の検査では、プラークがどのくらいついているのか・ポケットの深さ・歯の動揺度等などが分かります。歯のまわりや歯槽骨の状態を確かめることで、歯周病の進行具合が判明するのです。進行具合によって治療方法が異なるため、検査で治療の方針を固めることができます。特に、プラークの付着度合とポケットの深さを調べる検査は、歯周治療を行う大切な要素です。

2-3.歯科医師になるべく詳しく伝える

検査を実際に行う前に、医療面接があります。医療面接では、現在の状況と背景などさまざまなことを聞かれるので、歯科医師になるべく詳しく伝えましょう。いつから歯周病だと感じたのか、どの部分に炎症が起きているのかなど、聞き取った情報と診察結果をもとに、病状説明と治療計画の説明を受けることになります。

3.歯周病の治療方法は?

それでは、歯周病の主な治療方法を解説します。

3-1.治療の流れ

歯周病の治療は、大きく分けて歯周基本治療・歯周外科治療・口腔機能回復治療・メンテナンスの4段階があります。それぞれのステップを踏まえる前に再度検査を行い、治療の効果が出ているかどうか確認するという流れです。それぞれの具体的な治療法に関しては、次の項目で説明します。

3-2.治療方法

検査を行い、原因を確かめた上で進行具合に合った方法で治療が始まります。歯周病の状態が初期段階の場合は、歯石を除去したり、口腔内をキレイに清掃したりなど簡単な治療を行い、一定期間時間が経過した上で再度検査へと進むでしょう。前述した歯周基本治療・歯周外科治療・口腔機能回復治療・メンテナンスとそれぞれの特徴を以下にまとめました。

3-2-1.歯周基本治療

歯周病の原因となっている細菌を除去し、病変の進行を止めた上で状態にあった治療を選択します。主な治療項目は以下のとおりです。

  • 緊急処置
  • スケーリング・ルートプレーニング(歯石を除去する方法)
  • 口腔清掃法の指導
  • 歯内治療
  • 抜歯
  • 習癖の改善
  • 歯の矯正など

3-2-2.歯周外科治療

歯周外科治療では、初期治療後に行う外科的治療で目的別に以下のような治療法があります。

  • 歯周ポケットの除去:歯周ポケットの減少が目的で、フラップ手術・再生治療法などを行う
  • 歯肉歯槽粘膜形成術:歯周組織の健康維持やプラークコントロールしやすい口腔環境に改善する
  • 骨欠損:歯周疾患で生じた歯槽骨の欠損や骨形態の異常を修正する処置

3-2-3.口腔機能回復治療

口腔機能を回復させるために行う治療を口腔機能回復治療といいます。たとえば、インプラント治療・審美治療・歯周と矯正治療などです。咀嚼機能を回復したり、矯正治療等の総合的な治療を行ったりする内容がほとんどでしょう。審美性の改善を目的とした治療も行います。

3-2-4.メンテナンス

再び歯周病にならないためにも、口腔内の定期検診とホームケアが中心です。歯周治療によって得られた状態のいい歯周組織を維持するためには、メンテナンスをしていかなければなりません。再発防止のためにも、治療後も定期的な受診が必要となります。

3-3.治療費用は状態によって異なる

歯周病の治療にかかる費用は、その人の口腔内状況や歯周病の進行具合によって異なるため、一概にいくらとは断言できません。あくまで参考としてですが、歯科外科手術の場合、1本あたり270~1,000円が相場です。深刻な状態ほど費用も高くかかるため、早めの受診が費用の削減につながることは間違いありません。

3-4.歯医者の選び方が重要!

きちんと検査を受け適切な治療を続けるためには、歯医者選びが重要なポイントとなります。なるべく、歯周病の治療に長けている歯医者を選びましょう。ほかにも注目して起きたい歯医者選びのポイントを以下にまとめました。

  • 治療保証が充実している
  • 治療前に丁寧な治療方針や状態について説明してくれる
  • プライバシーが確保できる
  • 予約が取れやすい
  • 長期的な治療計画を立案してくれる
  • 最新機器や治療システムを導入している
  • 衛生管理を徹底している
  • 口コミや評判がいい

4.歯周病のセルフチェック法

「もしかしたら歯周病かもしれない」と感じている方は、以下の項目にいくつ当てはまるかチェックしてください。たくさん当てはまる方ほど歯周病の可能性が高いので、早めの受診をお勧めします。

  • 疲労時やストレスがかかっているときに歯肉が腫れやすい
  • 歯肉が退縮し、歯と歯の間にすき間ができた
  • 歯と歯の間の歯肉が丸く、腫れぼったい感じがする
  • 歯の表面を舌でさわるとザラザラする
  • 歯肉の色が赤い、もしくはどす黒い
  • 起床時に口がネバネバする
  • 歯肉を押すと白い膿がにじみ出てくる
  • 歯磨き時などに歯肉から出血しやすい
  • 歯がグラグラする
  • 歯が長く伸びてきた
  • 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
  • 上あごの前歯が出てきた
  • 人から口臭があると言われる

5.歯周病を予防しよう!

歯周病は日々の生活で予防することができます。健康な歯を維持するためにも、予防ポイントをチェックしておきましょう。

5-1.ヘビースモーカーの人は要注意!

歯周病の原因・治療・予防についての研究を行っている日本歯周学会によると、喫煙している人ほど歯周病になりやすいといわれています。歯周病の発症や悪化に関わるのは、口の中の細菌の攻撃力・患者自身の抵抗力・生活習慣の3つです。タバコに含まれているニコチンは歯や歯茎に刺激を与え、細菌が増えるきっかけになります。細菌の攻撃力があがるため、喫煙数が多い人ほど歯周病になりやすいのです。そのほか、糖尿病の人や免疫力が低下する高齢者・ホルモンが変動する妊娠中なども発症しやすい傾向があります。

5-2.自分でできること

自分でできる歯周病予防は、プラークコントロール・ブラッシング・生活習慣の3つがあります。それぞれの特徴について詳しく説明しましょう。

5-2-1.プラークコントロール

歯周病予防に最も効果があるといわれているのは、プラークコントロールです。原因のプラークをすべて取り除くことができればいいですが、完全にゼロにすることはできません。そのため、プラークの増殖を抑制し、悪影響が及ばない程度にコントロールすることが大切な予防策となります。細菌の量を減らす方法としては、ブラッシングの方法や習慣を改善することが1番の近道です。

5-2-2.最新ブラッシング方法

歯周病の予防に役立つ最新ブラッシング方法は「歯もみ」です。歯もみは、歯ブラシの毛先を歯と歯の間に入れて、歯や歯肉をやさしくもむようにブラッシングしていきます。ポイントは毛先を歯と歯の間にある歯肉に突き立てることです。最初は出血が伴うかもしれませんが、そのままブラッシングしてください。慣れていくたびに出血も自然と治ります。自分のブラッシング方法が不安な方は、歯科医師に正しい方法を教えてもらうといいでしょう。

5-2-3.生活習慣を見直す

食習慣・ストレス・喫煙など不規則な生活習慣は歯周病を進行させる原因の1つです。そのため、生活習慣を見直し、改善していきましょう。ストレスを感じている方は、なるべくリラックスできる時間を作ってください。喫煙は控え、栄養バランスのいい食習慣を心がけましょう。

5-3.定期的に歯科検診を受ける

自分でできる予防では、なかなか取り除けないプラークもあります。そのため、定期的に歯科検診を受け、プラークを除去しましょう。たとえ、歯周病が改善できたとしても、定期検診を受けることで虫歯・歯周病の早期治療ができます。

6.歯周病に関してよくある質問

歯周病に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.歯周病は再発しやすい?
A.再発しやすい傾向があります。そのため、歯周病の治療を終えた後でも、定期検診というメンテナンスが必要不可欠です。場合によっては再度問題が見つかり、治療が必要になることもあるでしょう。メンテナンスの期間は歯周病の進行具合や状態などで異なるため、歯科医師と話し合いながら進めてください。

Q.歯周病の検査を受ける前に気をつけたいことは?
A.特に注意することはありませんが、体調が悪い方は治療が受けられない可能性もあるので、念のために事前申告しておきましょう。また、心疾患・脳梗塞などの薬や免疫抑制剤を服用している方は、事前に申し出る必要があります。

Q.細菌検査の方法は?
A.歯周ポケットの中に、どんな種類の細菌が潜んでいるのか調べる方法です。歯周ポケットの中にペーパーポイントを入れ、歯周ポケットに存在するプラークを採取します。そして、細菌が付着したペーパーポイントを外部の専門機関にて解析し、その結果に基づいた方法で治療を行う流れです。

Q.歯周病と関連する病気はあるの?
A.近年の研究によると、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・骨粗しょう症病などの病気と関連性があることが分かってきました。これらの病気の症状として歯周病が出てくる可能性もあります。歯や歯茎のほかに不安な症状があれば、その症状も専門医に申告したほうがいいでしょう。

Q.歯周病予防に役立つ歯ブラシの選び方は?
A.毛先がやわらかい歯ブラシを選んでください。硬い歯ブラシは、歯の表面や歯茎を傷つける恐れがあるのでNGです。また、歯ブラシは毛先が広がってきたら、新しいものに交換しましょう。だいたい1か月に1本が目安となります。

まとめ

歯周病の検査では、歯周ポケットの深さやプラーク・歯茎の状態・原因となっている細菌を調べます。口腔内の状況をなるべく詳しくチェックすることで、歯周病の進行具合に合った方法で治療ができるのです。また、治療が終わっても定期的な検診・メンテナンスをこまめに行う必要があります。定期健診を受けることで、より良い口腔内を維持し続けることができるでしょう。

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