歯周病と心筋梗塞には深い関係が! 歯周病菌のリスクを解説!

歯周病は、虫歯と同様に治療が必要な病気です。歯周病が進むと、歯がぐらぐらしたり抜けたりする原因となります。また、口臭や虫歯が悪化することもあるので注意しましょう。しかし、歯周病の怖さはほかにもあります。たとえば、心筋梗塞の原因にもなるのです。今回は、歯周病と心筋梗塞の深い関係について詳しく解説します。心筋梗塞のリスクを高めないためにも、ぜひ読んでください。

  1. 歯周病と心筋梗塞について
  2. 歯周病と心筋梗塞の関係について
  3. 歯周病のセルフチェックをしよう
  4. 歯周病の治療法を解説
  5. 歯周病の予防法を習おう
  6. 歯周病と心筋梗塞に関するよくある質問

この記事を読むことで、歯周病が心筋梗塞のリスクを高めることや、適切な治療が必要なことが理解でき、また、効果的な予防法も身に付きます。まずは、記事を隅々まで読み、歯周病菌を退治して健康な口内を保つことの大切さを学びましょう。

1.歯周病と心筋梗塞について

まずは、歯周病と心筋梗塞についての基本を学びます。

1-1.歯周病・心筋梗塞とはどんな病気か

歯周病と心筋梗塞にかんして、それぞれどんな病気か学びましょう。

1-1-1.歯周病とは

歯周病とは、歯ぐきなど歯の周辺の組織が炎症を起こしている状態のことです。口の中には、数百種類の細菌が常駐しています。不適切なケアや食生活の偏りなど、何らかの原因によって細菌の活動が活発化すると歯周病になるのです。現在では、大人の約8割が歯周病になっているというデータもあります。もはや、歯周病は国民病とも言えるでしょう。

1-1-2.心筋梗塞とは

心筋梗塞とは、冠動脈が何らかの原因で詰まり、心筋に血液が流れなくなった状態のことです。血液が流れなくなった部分は、栄養や酸素が届かなくなるため壊死(えし)してしまいます。できるだけ早く発見・治療を行うことが症状の進行を食い止める唯一の方法です。なお、発症から3日以内に起こるものを急性心筋梗塞、発症後すでに状態が安定しているものを慢性心筋梗塞に大きく分けることができます。心筋梗塞から心不全を発症すると死に至る確率が高くなるので油断は禁物です。

1-2.歯周病・心筋梗塞の主な症状

歯周病や心筋梗塞には、どのような症状があるのかを紹介します。

1-2-1.歯周病の主な症状

  • 歯垢(しこう)や歯石が溜(た)まっている
  • 歯周ポケットが深くなっている
  • 歯ぐきが腫れて痛みがある
  • 歯ぐきから出血している
  • 歯ぐきが変色している
  • 歯ぐきが下がって歯が長く見える
  • 歯がぐらぐらする
  • 口臭がひどい

歯が痛いので虫歯だと思っていたら、実は歯周病だったという話もあります。

1-2-2.心筋梗塞の主な症状

心筋梗塞を起こした場合、主に以下の症状が現れます。

  • 胸が強く痛む(20分以上続く)
  • 胸が締め付けられるように感じる
  • 冷や汗が出る
  • 吐き気がする
  • 息切れがする

なお、糖尿病などの合併症がある場合は、胸の痛みを感じないこともあります。高齢者は、吐き気や息切れによって心筋梗塞を発見することもあるので、痛みが無くても異常を感じたときはすぐに受診することが大切です。

1-3.歯周病・心筋梗塞の原因とメカニズム

歯周病と心筋梗塞の原因とメカニズムについて、それぞれ解説します。

1-3-1.歯周病の原因とメカニズム

歯周病の原因は、歯垢の中の歯周病菌です。歯周病菌が活動するときに毒素を出し、歯肉などに炎症を起こして歯周病となります。最初は歯肉部分だけの炎症で済んでも、放置すると歯髄(しずい)や骨まで炎症が進んで歯が抜けたり激しい痛みを伴ったりするようになるため、治療を欠かすことができません。歯周病の予防や改善には、口内環境を清潔に保つことが重要です。

1-3-2.心筋梗塞の原因とメカニズム

心筋梗塞の原因は、動脈硬化などで血管内にできる脂質の塊がはがれ、冠動脈が詰まってしまうことです。冠動脈が詰まってしまうと、詰まった先に酸素や栄養が流れなくなり、組織が壊死してしまいます。壊死した組織は硬直して柔軟性を失うため、心臓の機能にも支障が出るのです。動脈硬化がある人は心筋梗塞に注意してください。

1-4.歯周病の怖さを知ろう

歯周病は、口の中だけの問題ではありません。歯周病を放置したことによって動脈硬化が進み、心筋梗塞になって死亡する例もあるのです。歯周病は全身に影響をおよぼす病気であることをきちんと認識してください。単に怖さを知るだけではなく、適切な対策をすることが肝心です。

2.歯周病と心筋梗塞の関係について

歯周病と心筋梗塞の関係について学びましょう。なぜ歯周病が心筋梗塞の原因となるのか、詳しく解説します。

2-1.心筋梗塞は歯周病が原因で起こることがある

心筋梗塞の原因にはさまざまなものがありますが、その中のひとつとして歯周病があげられます。実際、心筋梗塞で亡くなった方を解剖した結果、心臓の血管内から歯周病菌が発見されたという例もあるのです。心筋梗塞のリスクを減らすためにも、歯周病の予防・早期治療は欠かせません。

2-2.心筋梗塞が歯周病で起こる理由

歯周病が悪化すると、歯茎がただれたり出血したりします。すると、口の中の毛細血管の中から歯周病菌が入り込んで全身に回って冠動脈に脂肪性沈着物ができ、動脈硬化を起こすのです。そして、動脈硬化が進むことで心筋梗塞が起きます。実際に、アテローム性動脈硬化症患者の5~20%の割合で歯周病菌の遺伝子が見つかっていることからも、心筋梗塞が原因で歯周病が起こり得ると言えるでしょう。

2-3.動脈硬化とは?

動脈硬化とは、動脈の柔軟性が失われた状態のことです。正常な血管は、柔軟性を保っているので、血液の流れを妨害することはありません。しかし、血管内に脂質などが付着して硬化することがあります。動脈硬化になると、心臓が無理をして血液を送ろうとするため、高血圧になりさまざまな病気の原因となるのです。また、動脈硬化は、心筋梗塞の一歩手前と言われるほど深い関係があります。

2-4.プラークについて

プラークというと、歯垢のことを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、プラークは歯垢だけではありません。血管内部に付着する脂質などの異質物もプラークと呼びます。血管内部のプラークは、細胞への栄養吸収や血液の流れを妨害するなど多くの悪影響があり危険な存在です。プラークを増やさないように気を付けましょう。

3.歯周病のセルフチェックをしよう

では、歯周病のセルフチェックをしてみましょう。なりやすい人や年齢についても解説します。

3-1.歯周病のセルフチェックポイント

まずは、下記のポイントをチェックしてみましょう。

  • 歯ぐきの色が赤いもしくは黒みがかっている
  • 歯周ポケットが広がった
  • 歯ぐきの腫れや出血がある
  • 歯ぐきを押すと白いものが出てくる
  • 歯ぐきや歯に痛みがある
  • 歯が長くなった
  • 歯がぐらぐらしている
  • 朝起きたときに口の中がネバ付いている
  • ひどい口臭がある

上記のポイントに当てはまる場合は、歯周病にかかっている可能性が高くなります。できるだけ早く受診しましょう。

3-2.歯周病になりやすい人や年齢は?

以下の人は、歯周病になりやすいので注意してください。

  • 歯みがきなど口内ケアの習慣が無い・不十分な人
  • 病気などで免疫力が低下している人
  • 歯並びやかみ合わせの悪い人
  • ドライマウスの人
  • 喫煙者
  • 高齢者
  • 妊婦

なお、虫歯になっている人は同時に歯周病を発症しているケースがあります。高齢になるほど口内環境が悪化しやすく、歯周病になりやすい傾向があります。

4.歯周病の治療法を解説

歯周病の治療法について、詳しく解説します。受診すべき症状や主な治療法など、ひとつずつ理解してください。

4-1.歯周病で受診すべき症状

歯周病は、早期に治療を開始するほど治りやすいため、歯ぐき腫れなど異常を感じたときにすぐ受診することをおすすめします。なお、歯周ポケットが広がっていたり歯石が付いていたりする人は、すぐに治療を開始するべきです。そのまま放置すると、歯ぐきだけでなく骨まで広がって歯が抜けるなど重症化してしまいますよ。たかが歯周病と思わずに、きちんと受診してください。

4-2.歯周病の主な治療法

歯周病の主な治療方法は、以下を参考にしてください。

  • ブラッシング指導:毎日の歯みがき指導によって自然治療を目指す
  • スケーリング:専門の器具を使用して歯垢や歯石を除去する
  • フラップ手術:歯ぐきを部分的に切開して歯根に付着した歯石や歯垢を除去する
  • レーザー手術:歯周ポケットにレーザーを当てて殺菌・歯石を除去する
  • 歯ぐきの再生治療:歯周病で失った歯ぐきの再生を促す

なお、軽度の歯周病はブラッシング指導とスケーリングだけで済むことが多くなります。

4-3.歯石除去について

歯の根元や歯周ポケットに中には、歯石がこびり付いていることが多いものです。歯石は、歯垢が石化したものであり、通常の歯みがきで取ることが難しくなります。歯石は、見た目が悪いだけでなく、歯周ポケットを広げ、歯垢を溜(た)めやすくするなどさまざまなリスクがあるものです。そのため、定期的に歯医者で歯石除去をしてもらってください。

4-4.歯周病の治療期間・費用について

歯周病でも初期と重度では、治療期間が異なります。しかし、大体数か月程度の治療期間と考えてください。費用については健康保険適用となるため、実際の治療費の3割負担などで行うことが可能です。なお、重度の歯周病の場合は切開手術を伴うこともあり、手術費用が数万円から10数万円程度必要になるケースもあります。実際にどのくらいの治療期間・費用が必要になるかは、医師に確認してください。

4-5.歯周病を治療するための病院の選び方

  • 歯周病の治療に力を入れている
  • 歯周病の治療実績が豊富にある
  • 治療方針や内容の説明がわかりやすくて親切
  • 健康保険適用範囲内での治療を嫌がらない
  • 院内が清潔に保たれている
  • 次回予約が取りやすいシステムがある
  • 自宅もしくは職場などから通いやすい立地
  • 患者からの評判がいい

なお、当吉松歯科でも歯周病の治療に力を入れています。ぜひご検討ください。

4-6.歯周病の治療に関する注意点

歯周病は治療を完了することが何よりも大切です。途中で通院を止めてしまうと中途半端なところで放置することになり、意味がありません。また、歯周病は再発しやすいものです。一度治療が完了しても適切なケアを怠ると再発するので注意しましょう。もしも再発したと感じたときは、速やかに受診してください。早期治療を行うことで悪化を防ぎます。

5.歯周病の予防法を習おう

歯周病は、普段から気を付けることで予防できます。自分でできる予防法やかかりつけ医で定期健診を受けることの大切です。

5-1.自分でできる歯周病の予防法

歯周病は、自分でも予防できるものです。ここでは、主な方法をご紹介します。

5-1-1.プラークコントロールとは?

ここで言うプラークとは、歯垢のことです。歯周病の大きな原因であるプラークの増加を防ぐことをプラークコントロールと言います。プラークの中には細菌がたくさん住んでいて糖分などをえさに増殖しているため、以下の対策をしてコントロールしましょう。

  • 食後の歯みがきをきちんとする
  • 必要に応じてデンタルフロスで歯の間の掃除をする
  • 食後にキシリトールガムをかむ
  • お茶や水分をよく飲む
  • 口を閉じるように気を付ける

5-1-2.最新ブラッシング方法について

歯周病を予防するためには、丁寧で的確なブラッシングが重要です。ブラッシングは、歯と歯のすき間に付いた歯垢を除去してくれます。歯ブラシは、毛先が細くて柔らかいタイプを選びましょう。硬いものは、歯ぐきを傷めるので避けてください。なお、奥歯用(ブラシ部分がコンパクトなもの)と前歯用(通常のもの)の2本を使い分けると便利です。また、最近人気が高い電動歯ブラシを活用してもいいでしょう。なお、1週間に2回から3回程度、デンタルフロスを活用してください。デンタルフロスを使うことで、歯ブラシでは届きにくい部分の歯垢を取り除くことができます。

5-1-3.生活習慣を改めよう

歯周病になりやすい人は、生活習慣に問題があることが多いものです。健康的な生活習慣に改めることで、歯周病を予防しましょう。具体的には、以下のことに気を付けてください。

  • 食事時間を決め、だらだら食べないようにする
  • 食後の歯みがきを丁寧に行う
  • 甘いものなどを控(ひか)える
  • 睡眠時間をたっぷり取る
  • ストレスを溜(た)めないようにする

5-2.かかりつけ歯医者で定期健診を受けよう

歯周病は、知らないうちに進行します。また、気を付けていても歯石や歯垢が歯のすき間に溜(た)まりやすいものです。常に口内環境を良好に保つためにも、かかりつけ歯医者で定期健診を受けましょう。虫歯や歯周病など、何らかの治療を受けた後は、歯医者から定期健診のお知らせが届きます。時期が来たら必ず受診してください。なお、治療をしていない場合でも定期的に出向いて健診を受けることもできます。おおよそ、半年から1年に1回は通いましょう。定期健診の内容は、治療部分の再発チェック・歯石や歯垢の除去などのクリーニング・ブラッシング指導などです。

5-3.歯周病の予防法に関する注意点

歯周病菌はすぐに増加するので、予防は継続してきちんと行うことが大切です。「今日ぐらいは大丈夫」と油断することが歯周病の始まりとも言えます。手抜きをすると将来の心筋梗塞につながる可能性があることを思い出してください。なお、予防がきちんとできているのか確認するためにも、定期的に歯医者でチェックを受けましょう。

6.歯周病と心筋梗塞に関するよくある質問

最後に、歯周病と心筋梗塞に関するよくある質問に回答します。きちんと歯周病対策をするためにも、それぞれ確認しておきましょう。

6-1.虫歯でもないのに歯医者に通うのに抵抗があるのですが?

歯医者は、虫歯の治療だけのためにあるのではありません。虫歯を含め、口内環境を健康に保つために存在しているのです。そのため、虫歯でなくても積極的に通ってください。なお、歯周病だけだと思っていても、初期虫歯を発見することもあります。虫歯も歯周病も初期の段階で治療をすれば早く治り治療費も安く済むため、早めに受診しましょう。

6-2.親が歯周病だと子どもも歯周病になりやすいのですか?

親が歯周病の場合、子どもも体質的に歯周病リスクが高いと考えていいでしょう。しかし、歯周病になりやすい体質、生活習慣があると認識して、意識して改善することでリスクを減らすことができます。今すぐできることから、歯周病対策を始めましょう。

6-3.子どもの歯周病ケアで注意するべきことは?

子どもは、歯が永久歯に生えかわり歯みがきなどの生活習慣を定着させるためにも、重要な時期です。保護者が率先して歯周病ケアをし、適切な治療を受けさせてください。また、定期健診の際にブラッシング指導を受けましょう。子どものうちに正しいケアが定着すればば、大人になってからも楽です。

6-4.高齢者の歯周病の治療で気を付けるべきことは?

高齢者は、唾液が少なくなる・歯みがきをしづらくなるなど、さまざまな理由で歯周病になりやすいものです。また、治療を拒否することも多くなります。まずは、歯周病が心筋梗塞の原因になりうることをわかりやすく説明して、歯周病の治療を行う必要性を理解してもらいましょう。高齢者の気持ちにも配慮して、なるべくやさしい口調で説明するとうまくいきますよ。

6-5.歯周病治療のメリットで心筋梗塞の予防以外のものは?

歯周病治療は、心筋梗塞の予防だけでなく、さまざまなメリットをもたらします。主なものは、下記をご覧ください。

  • 虫歯リスクを低くする
  • 将来的に歯が抜けるのを防ぐ
  • 食べものが食べやすくなる
  • 口臭を改善する

歯周病は、歯を失うリスクを高めます。高齢になっても自分の歯で食べることを可能にするためにも、歯周病治療を行いましょう。

まとめ

今回は、歯周病が心筋梗塞のリスクを高める理由について詳しく解説しました。歯周病はただちに命にかかわる病気ではありません。しかし、心筋梗塞の原因となりうることは否定できないのです。歯周病をきちんと治療し予防に努めることで、心筋梗塞のリスクが低くなる可能性があります。そのためにも、歯科医の指導を受けて正しいケアを身に付けましょう。治療後も、定期健診を受けることが大切です。清潔な口内を保ち、心筋梗塞になるリスクを低くしましょう。

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