ラバーダム防湿は根管治療の成功率を上げる! 根管治療のポイント

歯の根の治療(根管治療)は繊細で丁寧に処置をしていかなければ、菌が入り込んでしまう恐れがあります。治療中に菌が入り込むと、再発する恐れがあるのです。それほど大切な治療だからこそ、より安心・安全に治療を施す必要があります。歯医者の間で話題になっているのが「ラバーダム防湿」を利用した根管治療です。ラバーダム防湿は根管治療の質を上げるものとして注目されています。

そこで本記事では、ラバーダム防湿とは何なのか、根管治療や歯医者選びなどについて詳しく説明しましょう。

  1. ラバーダム防湿とは?
  2. 根管治療について
  3. 根管治療とラバーダム防湿の関係
  4. ラバーダム防湿の問題点について
  5. 根管治療の歯医者の選び方
  6. ラバーダム防湿に関するよくある質問

この記事を読むことで、ラバーダム防湿を使用した根管治療について知ることができます。ラバーダム防湿に関心がある方や根管治療の歯医者選びが知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

1.ラバーダム防湿とは?

ラバーダム防湿が気になる方は、どのような方法なのか詳しく知ることが大切です。安心して治療を受けるためにも、ラバーダム防湿の定義や使用シーン・目的について詳しく見ていきましょう。

1-1.ラバーダム防湿の定義

ラバーダムは薄いゴムシートのことです。メガネ拭きに似ており、歯の治療をする際、治療の歯以外の部分にかぶせます。ラバーダムシートをかぶせて治療をおこなうのが、ラバーダム防湿です。ラバーダム防湿に使われるのは、ラバーダムシート・クランプ(金具)・フレームの3つがあります。フレームとクランプはラバーダムシートとつながっており、3点がセットになって、ラバーダム防湿ができるのです。

1-2.ラバーダム防湿の使用シーン

主に、ラバーダムは虫歯の治療や根管治療に使われています。根管治療には必要不可欠なアイテムです。ほかには、歯の神経に近い治療や歯にプラスチックを接着させる治療(コンポジットレジン)・セラミックをつけるシーンにも使用されます。また、子どもは舌を動かすことが多いため、治療の妨げにならないようラバーダム防湿が使われることもあるのです。

1-3.ラバーダム防湿の使用目的

ラバーダム防湿は、清潔な状態で治療をおこなうために使用します。口の中には唾液があり、中には複数の細菌が含まれているものです。唾液の水分や細菌は治療の妨げになってしまいます。しかし、ラバーダム防湿を使用すれば、水分・細菌の除湿が可能です。また、再発の恐れがある根管治療の質を上げるのも目的の1つといえます。歯の根の治療は再発しやすいといわれていますが、ラバーダム防湿を利用することで再発を防ぐことが可能です。神経に触れる治療だからこそ、清潔な状態になるラバーダムは効果があります。

ラバーダム防湿は細菌感染を防ぎ、清潔な状態で治療を行うために用いるんですね。
はい。日本ではまだ普及しきってはいませんが、使うことが当たり前な国も多いんです。

2.根管治療について

根管治療でラバーダム防湿を使用する前に、どのような治療をおこなうのか把握しておかなければなりません。これから、根管治療の定義・目的・方法など詳しく説明します。根管治療を受けることを検討している方は要チェックです。

2-1.根管治療の定義

歯の根には管があり、管の中には神経が張り巡っている状態です。虫歯が進行すると神経まで細菌が入り込み、痛みが強くなることがあります。そのため、細菌に侵された神経は取りのぞく治療が必要です。また、神経を取りのぞいた後は根管内をキレイに消毒し、細菌が入り込まないように薬を詰め込みます。神経を取りのぞき、薬を詰め込む治療が根管治療です。

2-2.根管治療の目的

根管治療の目的は、主に、腐って死んでいる神経を取りのぞくことです。死んでいる歯の神経をすぐに取りのぞかなければ、さらに状況が悪化するでしょう。また、根の先にできた膿を治したり、消毒したりと症状によって目的は異なります。

2-3.根管治療の方法

根管治療は、細菌で汚染された根の中に針金に似たやすりを用いてこすり落とします。痛みの原因となる神経・細菌をすべて取りのぞいた後、消毒して清潔な状態にし、薬を注入することで空間を埋める方法です。根の中に細菌や腐った神経が残ってしまうと、再び細菌が増え、痛みが出てきます。そのため、根管治療をおこなう際は根の中に細菌が入り込まない工夫と歯の神経を取り残さない技術が必要なのです。

2-4.根管治療と通常治療との違い

通常の虫歯の治療は、歯についている垢や細菌を取りのぞくために機械を使用します。一方、根管治療は歯の神経にまで施術をおこなう方法です。つまり、歯の神経にまでおよぶ治療かどうかが、根管治療と通常治療の異なる点といえます。また、根管治療は歯の寿命を延ばす大切な治療でもあるため、通常治療よりも時間が長く、高い治療費も必要です。

2-5.根管治療のメリット

根管治療のメリットは、進行している症状を抑えられる点です。虫歯が進行すると通常治療では手に負えません。しかし、そのままだと痛みが悪化します。そこで、根管治療をおこなうことで汚染された神経を取りのぞき、痛みから解放されるのです。神経を抜けば歯は感覚を失います。また、抜歯が回避できる点もメリットです。根管治療は細菌の経路が遮断できる方法なので、自分の歯を守ることができます。

根管治療は、歯の根元を治療することなんですね。
はい。細菌感染などを防ぐために虫歯の治療を併せて行うこともあります。

3.根管治療とラバーダム防湿の関係

それでは、根管治療とラバーダム防湿の関係について詳しく見ていきましょう。方法や手順・目的・成功率が上がる理由などについて説明します。

3-1.方法と手順

根管治療をおこなう前、治療する歯以外にゴム製のラバーダムシートをかぶせます。後は、根管治療をおこなう手順です。根管治療は、歯に穴をあけ神経を取りのぞいた後、根管の長さを正確に測定し、根管の中にある細菌や汚れを取りのぞきます。細菌が残らないように消毒をし、薬剤をすき間なく詰めて密封後、クラウンと呼ばれるかぶせものをして完了です。ラバーダムシートはすべての治療が終わった後にはずします。

3-2.目的

「1-3.ラバーダム防湿の使用目的」で説明したとおり、ラバーダム防湿は根管治療の質を上げるためのものです。ラバーダムを装着することで、治療部位への感染を防ぎ、成功率が高まります。根管部分に細菌が入り込むと再発するリスクが高まるのです。ラバーダム防湿をしない根管治療は、細菌感染の可能性が高まり、再治療が必要となるケースが増えてきます。再発防止のためにも、ラバーダム防湿は必要です。

3-3.成功率が上がる理由は?

ラバーダム防湿は根管治療の成功率を向上させることができます。では、なぜ成功率が上がるのでしょうか。主な理由は、唾液による感染を防ぐことができる点です。口の中には唾液が必ず存在しています。唾液には感染の恐れがある細菌も含まれており、根管部分に入り込んでしまうのです。唾液による感染を防ぐためにもラバーダム防湿が必要になります。また、水分の遮断や治療部分の消毒・舌による妨害を防ぐことができるのも、成功率が上がる理由です。

ラバーダム防湿を行えば、根管治療の成功率が上がるんですね。
はい。ですから、ラバーダム防湿を行って根管治療をしているとアピールしている歯科医院もあります。

4.ラバーダム防湿の問題点について

ラバーダム防湿は、根管治療において必要不可欠なものとなりつつあるものです。特に、欧米では根管治療にラバーダム防湿が必要とされています。しかし、日本では未だラバーダム防湿が普及していません。普及していない理由には、幾つかの問題点を挙げることができます。

4-1.主な問題点

ラバーダム防湿の主な問題点は3つあります。1つ目は、費用です。ラバーダム防湿の費用は、およそ数万~数十万円かかります。ラバーダム防湿を使わないほうがお金はかからないため、使用する人が少ないのでしょう。2つ目は、保険診療の点数に含まれないことです。保険診療でラバーダムを必ず使わないといけない決まりはないため、使う歯医者と使わない歯医者があります。そして、最後の3つ目は治療中に息苦しさを感じることです。治療する歯以外のすべてにゴム製のラバーダムシートをかぶせるため、口から息を吸いこむことはできません。息苦しさや装着感が嫌という方も多いのが現状です。

4-2.普及率について

ラバーダムの普及率は、決して高いとはいえません。海外における根管治療のラバーダム防湿普及率は、およそ90%以上です。しかし、日本における普及率は5%以下になるといわれています。普及率が非常に低い状況なので、ラバーダム防湿を使用する歯医者を見つけるだけでも一苦労です。

ラバーダム防湿を行うには費用がかかるんですね。
はい。それも普及が進まない一因です。

5.根管治療の歯医者の選び方

根管治療でラバーダム防湿を使用したい場合、使っている歯医者を見つけなければなりません。きちんと根管治療をおこなっている歯医者は、ラバーダム防湿を使用している傾向があります。安心して治療できる歯医者選びのポイントを、しっかり押さえておきましょう。

5-1.歯医者選びのポイント

歯医者を選ぶ際、3つのポイントに注目してください。

まず1つ目は、マイクロスコープを使用するかどうかです。根管の中にある神経は非常に細く、眼で直接確認することができません。しかし、マイクロスコープを使用すれば正確に患部の状態が把握できます。

2つ目は、明確な治療計画を提示してくれるかどうかです。治療をおこなう前に内容や方法・費用・期間など具体的に説明する歯医者は信頼でき、治療を受ける側(がわ)も安心して任せられます。

最後の3つ目は、治療保証が整っているかどうかです。東京都の吉松歯科医院では、インプラント・かぶせもの(クラウン)・つめものなど5年間の保証がついています。万が一のときでも、保証期間内であれば無償で対応可能です。お気軽にお問い合わせください。

5-2.ラバーダム防湿を希望するときはどうすべきか?

ラバーダム防湿を希望するとき、歯医者にその旨をきちんと伝えてください。そして、ラバーダム防湿の費用を含めた治療費用を確認しましょう。また、どのようなラバーダムシートを使うのか気になる際は、相談してみてください。徹底したラバーダム防湿をおこなっている歯医者は、丁寧に対応してくれます。不安な点や気になる点は治療前に確認しておかなければなりません。

根管治療の歯医者選びは、ラバーダム防湿を行っているかどうかも判断基準の1つになるんですね。
はい。また、丁寧でわかりやすい説明をしてくれるかどうかも判断基準にするといいでしょう。

6.ラバーダム防湿に関するよくある質問

根管治療とラバーダム防湿にかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.ラバーダムシートは使い回しされるのか?
A.口の中に触れるラバーダムシートは、使い捨てが基本です。使い回しをすれば、細菌が根管の中に入り、再発のリスクが高まります。ラバーダムシートを使い回ししている歯医者は絶対に避けてください。

Q.ラバーダム防湿が使えないケースとは?
A.すべての治療にラバーダム防湿が使えるとは限りません。ラバーダム防湿は治療の歯にフックをかけてゴムを装着するため、歯が残っていないケースは使えないのです。また、かみ合わせの矯正をおこなう治療の際、ラバーダムシートが邪魔になるため使いません。

Q.根管治療中に注意すべき点は?
A.根管治療中は治療の間隔をあけ過ぎてはいけません。なぜなら、仮のかぶせものをしている部分から細菌が入ってしまうからです。再び細菌が入ると、まわりの歯にまで悪影響をおよぼします。そのため、ひとりひとりの治療時間をしっかり確保している歯医者を選ぶことも大切です。

Q.根管治療はどれくらい通えばいい?
A.多くの場合、根管治療は1~3回の治療で終わります。ただし、最初の根管治療がうまくいかず、根の先に膿がたまる、歯の痛みが悪化するなどの症状が出てくると4~5回かかるでしょう。また、歯の状況や範囲によっても治療回数が異なります。

まとめ

根管治療は歯の根を治療する内容です。根管部分は非常に繊細で少しでも傷がついたり、細菌が入ったりすると症状が悪化する恐れがあります。細菌感染や再発防止のためにも、治療の歯以外をゴム製シートでカバーするラバーダム防湿が必要です。欧米では根管治療をおこなう際、ラバーダム防湿が一般的に施されます。日本における普及率は5%以下と低い水準にありますが、ラバーダム防湿を徹底している歯医者はあるので安心してください。根管治療をおこなう際は、ラバーダム防湿を徹底している歯医者を選びましょう。

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