歯のぐらぐらは危険信号!原因を知って予防対策強化へ

危険8020運動をご存じですか? 80歳まで自分の歯を20本維持しようという啓発活動。歯科医院では、患者の口腔(こうくう)環境をきれいにする意識向上に向け、8020運動の呼びかけを行っています。
自分の歯を残せるのは、見栄えの良さだけに着目しているわけでありません。自分の歯でしっかり噛(か)める喜びを、患者さん自身で感じ取ってもらいたいからです。
若いころは、歯が抜け落ちてしまう心配などなかったでしょう。しかし、加齢・生活習慣・ケア不足などの悪条件が重なると、自分の歯を維持できなくなります。
若い方でも、歯がぐらつくなどの症状を引き起こすことも。
歯がぐらぐらする原因や対処法などをご紹介しましょう。

  1. 歯がぐらつく原因
  2. ぐらつきを放置したことによる影響
  3. 歯がぐらついたときの対処法
  4. まとめ

1.歯がぐらつく原因

歯茎が盛り上がって見える、ブラッシングすると出血する、噛(か)みにくくなったなどの症状を感じていませんか? 放置しておくと、口臭が酷(ひど)くなり、歯が抜け落ちます。
歯は、全身の症状を映し出す鏡。口腔(こうくう)環境をきれいにすれば、全身状態も落ち着くとされています。
歯のぐらつきは、全身疾患へ導いてしまう恐れもあるでしょう。原因を知り、ご自身の状態を見直してみてください。

1-1.歯周病

歯周病は、30歳以上の日本人で80%がかかっている感染症です。言葉は知っていても、具体的な症状はよく知らない方も多いのではないでしょうか?

  • 歯茎の腫れや出血
  • 歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなる
  • 口臭が酷(ひど)い
  • 硬いものが噛(か)みにくくなった

歯周病は無言の病と呼ばれるほど、 自覚症状がないまま進行していきます。痛みや異変を放置し、悪化してしまうケースもあるでしょう。
進行した場合、歯を支えている骨を溶かし、根幹まで症状が広がってしまいます。最悪のケースでは、歯が抜け落ちるリスクも覚えておきたい重大な病気です。歯周病が進行していく過程で、歯のぐらつきを感じる方がたくさんいらっしゃいます。

1-2.虫歯

昔治療した歯が、再び虫歯になってぐらつくケースも。悪い部分だけを削って被(かぶ)せものをします。歯と被(かぶ)せもののすき間が虫歯になっていることも。
虫歯になっていると、接着した被(かぶ)せものが浮いて外れやすくなります。劣化でも被(かぶ)せものはぐらつきやすくなるでしょう。
虫歯進行を防ぐためにも、早めの処置が大切です。

1-3.外傷

ぶつけたなどの外傷で、歯がぐらつくこともあります。外傷の場合には、レントゲンなどで症状を把握し、外科処置によるぐらつき整復固定が必要です。
歯を脱臼した状態である「亜脱臼」と呼ばれる症状にあたります。痛みと、神経を損傷していることも。早めの処置が大切です。

1-4.生え変わり

小さいお子さんの場合、乳歯の生え変わり時期に歯のぐらつきがあります。歯茎や歯の状態を見れば、いつごろ生え変わるかを判断することができるでしょう。
病気ではないので、ぐらつきに違和感を抱かない限り、特別な問題はありません。

1-5.噛(か)み合わせの悪さ

噛(か)み合わせが悪いと、一部の歯だけに偏った力が加わり、歯茎にダメージを与えてしまいます。
噛(か)み合わせと同時に注目したいのは、歯ぎしりです。眠っている間に歯ぎしりをしている方も多いのではないでしょうか?無意識に強い負荷が加わり続けることで、歯のぐらつき・磨耗・欠け・割れなどが発生します。
噛(か)み合わせの悪い方や歯ぎしりをする方は、一部の場所に強いダメージを受けることで、歯のぐらつきを感じることがあるでしょう。

2.ぐらつきを放置したことによる影響

歯のぐらつきに気づいたら、症状が進行している状態にあると捉(とら)えましょう。特に、歯周病の場合には、初期段階で自覚症状が現れることはほとんどないといわれています。口腔(こうくう)内の健康は、全身の健康の表れです。
歯のぐらつきを放置していると、どのような影響が出てくるのでしょうか?

2-1.歯が抜け落ちる

歯周病の初期段階は、歯茎に赤み・腫れ・出血などの歯肉炎から始まります。ブラッシング不足が原因によるもの。
炎症が進むと歯周病に発展し、気づかないまま悪化してしまいます。歯周ポケットは、1mm程度が正常範囲。進行した歯周病では4〜5mmと深い溝を形成していくでしょう。
歯を支えている骨を溶かし始め、歯のぐらつきを感じています。放置しておくと骨の崩壊が進み、歯が抜け落ちてしまう恐れがある深刻な病気です。

2-2.自然治癒はしない

残念ながら、歯のぐらつきは自然治癒しないもの。まだ大丈夫と過信していると、症状がどんどん悪化してしまいます。外傷では神経損傷していることもあり、放置してしまうと根幹部分まで影響し、歯の変色が起こることも考えられるでしょう。

3.歯がぐらつくときの対処法

歯がぐらぐらしていると、食事や会話など日常生活への影響が大きいもの。早めの受診で、状態が悪くならないよう対処しなければなりません。

3-1.乳歯でもしっかり治療

生え変わり時期のお子さんが歯に外傷を受けた場合、永久歯ではないからと軽視してはいませんか?外傷で傷ついた乳歯は、画像診断を受けて根幹の状態を把握し、早めの処置が必要です。
ぐらつきや出血など見える範囲だけの問題ではなく、歯の根元にダメージを受けている・欠けている部分が大きい・神経が露出しているなども考えられます。最悪の場合、歯の位置がずれてしまうこともあるようです。
乳歯期に外傷を受けると、永久歯が出にくい・歯の歪(ゆが)み・もろい歯を形成するなど、さまざまな影響を踏まえておかなければいけません。
生え変わり時期でも、早めに歯科医院を受診しましょう。処置が早ければ早いほど、修復できる可能性もアップします。

3-2.歯周病は治療後の予防が大事

歯周病の場合、異変に気づいたときには進行しているはずです。処置が遅れるほど、歯茎や歯を支える骨を溶かし続けていきます。
進行してしまった後の歯の処置は容易ではなく、義歯・ブリッジ・インプラント・コンポジットレジンなどで修復しなければなりません。ぐらぐらした歯は再生不能であれば、抜歯する結果になるでしょう。
歯を支える骨が半分残っていれば、口腔(こうくう)内の細かな汚れや歯石除去を行い、歯茎を健康な状態に戻していけます。口腔(こうくう)内の衛生環境が整うと、次第に歯のぐらつきが収まるはずです。
歯周病は、自覚症状がないまま進行する病気。1度きれいに戻ったとしても、再び歯周病リスクを高めない予防が重要です。定期的なクリーニングで、歯と歯茎の状態を維持していくことが、歯周病治療で最大の焦点でしょう。

3-3.生活習慣の見直し

歯周病予防では、日常生活の中でブラッシングを適切な方法で、きちんと磨けていることが大前提です。
ただ、ブラッシングの方法を変えるだけでは、なかなか解決しないもの。生活習慣の改善こそが、歯周病リスクが低下するターニングポイントとなります。

  • 喫煙
  • 肥満防止
  • バランスのいい食事
  • ストレスを溜(た)め込まない

喫煙は、有害物質であるタール・ニコチン・一酸化炭素などを含んでいます。ヤニが歯に付着し、歯垢(しこう)をさらに引き寄せようとしてしまうのです。ニコチンや一酸化炭素によって、免疫力が低下することもわかっています。
肥満は、さまざまな病気の原因にも取り上げられるほど、体への負担が大きく、病気へのリスクも高めるもの。肥満防止には早食いせず、しっかり噛(か)んで、唾液の分泌を促しましょう。
バランスの取れた食事は、規則正しい生活を送る上で大切なこと。偏った食事・外食が続く・コンビニ弁当で済ませてしまう食生活では、体のために必要な栄養素を取り入れることができません。規則正しい生活から見直してみましょう。
ストレスを溜(た)め込まず、好きなことで発散すれば、精神面での健康を見直すことができます。自分なりにストレス発散できる方法を見つけ、溜(た)め込まないようにしましょう。

4.まとめ

歯がぐらぐらした状態の原因や対処法などをご紹介しました。

  • 歯がぐらつく原因
  • ぐらつきを放置したことによる影響
  • 歯がぐらついたときの対処法

外傷によるぐらつきもありますが、圧倒的に多いのは歯周病によるもの。歯周病は自覚症状がないまま、どんどん進行してしまい、酷(ひど)くなれば歯が抜け落ちることもあります。
セルフケアも大切ですが、生活習慣の見直しも歯周病治療の軸。健康的な体は、健康な口元から生まれます。
快適な生活を送るためにも、定期的なクリーニングと合わせて、生活習慣の見直しをしてみてください。

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