歯の根元にできた虫歯は放置しちゃダメ!根元が黒ずむ原因と根管治療


毎日歯を磨いていても、いつの間にか歯の根元が黒ずんでくることはありませんか? もしその黒ずみが虫歯だとしたら、早期の治療が必要になります。なぜなら、歯の根元の虫歯は進行のスピードが速いからです。最悪の場合、歯を失うことにもなりかねません。この記事では歯の根元の虫歯や黒ずみに悩む人のために、歯の根元の治療法について詳しく解説します。

  1. 歯の根元にできる虫歯について
  2. 歯の根元にできた虫歯の治療方法
  3. 歯の根元治療~根管治療
  4. 歯の根元にできる虫歯に関するよくある質問

この記事を読むことで、歯の根元の虫歯を治療する方法や歯を失わずに済む方法について知ることができます。ぜひ参考にしてください。

1.歯の根元にできる虫歯について

歯の根元が黒ずんでいる場合は虫歯の可能性があります。ここでは、歯の根元が黒ずむ原因と根元の虫歯について解説しましょう。

1-1.歯の根元が黒ずむ原因は?

歯の根元が黒ずむのは、以下のような原因があります。

  • 虫歯
  • 汚れ(ヤニやステイン)
  • 歯石
  • 被せものの金属部分の露出
  • 詰め物の劣化
  • 神経がない歯の変色 

1-2.歯の根元にできる虫歯の特徴とは?

歯の根元にできる虫歯を「根面虫歯」といいます。これは、加齢などにより歯茎が下がることで歯の根元が露出し、そこが虫歯になるものです。普段歯茎に埋もれている歯の根元部分には、硬いエナメル質がありません。象牙質がむき出しの状態のため、虫歯になりやすいのです。根面虫歯になるのは、50代以上の歯周病経験者に多いといわれています。

1-3.重症のケースもある?

歯の根元に歯垢(しこう)が付着し、虫歯菌にさらされ続けると、柔らかい象牙質は容易に溶かされ、虫歯になってしまいます。しかも、歯の根元部分から神経までは、わずか2mmしかありません。そのため、根面虫歯は重症化するスピードが速いのです。さらに、同時に何本も発生することもあるので注意が必要になります。

2.歯の根元にできた虫歯の治療方法

歯の根元に虫歯ができてしまったら、早めに治療することが大切です。

2-1.軽症の場合

根面虫歯の治療の方法は、基本的には他の虫歯と同じです。軽度の場合なら、小さく削って詰め物をするだけで完了することができます。ただし、奥歯の被せものの根元部分で、歯と歯の間が根面虫歯になると、簡単に治療することはできません。この位置は横から器具が入りにくいため、たとえ虫歯は小さくても、歯冠部分から削ることになります。

2-2.中度、重症の場合

根面虫歯は進行すると、歯の根の周囲に帯状に広がることがあります。こうなった場合は、歯の根をぐるりと削って治療しなければなりません。ひどくなると、根っこ部分がボロボロになって、たとえ歯冠部分は虫歯になっていなくても、上部がポロリと取れてしまうこともあるのです。
虫歯が進行し虫歯菌が神経まで到達している場合は、根管治療が必要になります。

3.歯の根元治療~根管治療

歯の根元まで達する重症の虫歯でも、歯を抜かずに治療する方法があります。それが根管治療です。ここではその方法を詳しく説明します。

3-1.根管治療(歯内治療)とは?

根管治療とは歯内治療ともいわれ、虫歯菌に感染した歯の根っこの内部を取り除き、きれいに清掃し細菌をなくすよう治療することです。歯の内部には、神経や血管が束になっている歯髄(しずい)と呼ばれる部分があり、それが通っている管を根管といいます。虫歯の進行によりこの歯髄(しずい)が細菌に感染し炎症を起こすと、痛みや腫れを引き起こすのです。感染が進行すると、やがて歯を支えている骨まで溶かしてしまうため、感染部分はなるべく早く除去する必要があります。根管治療では、この歯髄を取り除き、清掃・消毒したあと、再び感染しないように根管に薬を注入するのです。この治療を行うことで、従来は抜歯するしかなかった重度の虫歯でも、抜かずに保存できるようになりました。

3-2.歯の根元治療のむずかしさ

歯の根の治療は、とても困難といわれています。それは、小さな歯の内部にある複雑な形状をした根管の奥深くまで行う必要があるためです。従来は、目視できない部分を手探りで行っていたため、感染部を十分に取り去ることができないこともありました。しかし、最新の根管治療では、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使うことによって患部を拡大して見ながら処置することができるようになっています。これにより、感染部を除去する精度が高まりました。このように、根管治療の精度を高めるには、先進技術が不可欠です。以下に精密な根管治療に役立つ技術を紹介します。

  • 歯科用CT:治療の前にレントゲンやCTを使用し、歯の内部の情報を得ます。CT併用することにより、根管の構造を立体的に把握することができる
  • ラバーダム:治療する歯だけを露出させ、他を覆うゴムのシートのようなもの。これを装着することで、治療する歯に唾液が入るのを防ぐ。また、洗浄剤が口内へ侵入するのを防ぐ役割もある。アメリカの根管治療では義務付けられているが、日本では少数の歯医者でしか実施していない
  • マイクロスコープ(手術用顕微鏡):肉眼の2~24倍に拡大して患部を見ることができる。ミクロ単位の精密さで感染物質の除去を行うことが可能。録画機能もあるため、患者に画面を提示して、治療中や治療後の説明に使うこともできる

3-3.根管治療の方法

根管治療は、複雑な形状の根管内部を相手にする繊細な治療です。根管は1本の歯の中に複数存在し、一つ一つがとても複雑な形状をしています。前述のような先進機器を使うことで、精度の高い根幹治療をすることができるのです。根管治療は以下のような流れで行います。

  1. 抜髄(ばつずい):麻酔をし、根管の中にある細菌に感染した歯髄(しずい)を切除し除去する
  2. 根管の清掃:専用器具を使い根管の中の汚れを完全に取り除く。入り組んで湾曲した根管の中を丁寧に掃除する根気のいる作業
  3. 根管の消毒:空洞となった根管に特殊な洗浄剤を流し込み滅菌する
  4. 薬の充てん:炎症が強い場合は、薬剤を入れて仮にふさいでおく。炎症が治まるまで洗浄と薬の充てんをくりかえす。
  5. 詰め物をする:炎症が完全に治まったら根管内に詰め物をする。MTAセメントという滅菌作用もあるセメント材を使用すると、無菌状態で密封が可能。根管の先端まで入っているかレントゲンで確認する
  6. 土台をつくる:被せものをするための土台をつくる。土台は金属だと固すぎて根に負担がかかるため、グラスファイバーが望ましい
  7. かぶせもの(クラウン)をかぶせる:人工の歯冠をかぶせる。かみ合わせを調整して完了

3-4.メリット

根管治療をすることで、従来なら抜歯するしかなかった歯も残すことができます。自分の歯を残すことができれば、それを土台に被せものをつくることができるのです。ブリッジより自然でインプラントより費用を安くすませることができるでしょう。

3-5.医院選び

根管治療の専門医を選ぶ場合、以下のポイントをチェックしてみてください。

  • 根管充填剤(こんかんじゅうてんざい)は、抗菌性・生体親和性のあるものを使っているか
  • ラバーダム防湿を行い、細菌感染に配慮しているか
  • マイクロスコープなどを使用して精密根管治療を行っているか
  • レントゲンやCTなど、精密検査を実施しているか
  • 病状や治療方針の説明は丁寧か
  • 費用の説明を丁寧にしてくれるか

4.歯の根元にできる虫歯によくある質問

Q.歯の根元にできる虫歯の予防法は?
A.虫歯の原因となるプラーク(歯垢=しこう)を減らすことが大切です。そのためにはこまめな歯みがきが必要ですが、歯の根元は磨きにくいため、歯間ブラシやデンタルフロスを使うと効果的でしょう。唾液の分泌を増やすことも有効です。

Q.毎日歯を磨いていますが、黒ずみや黄ばみ、歯石がとれません。どうしたらいいですか?
A.歯科で歯のクリーニングを受けることをおすすめします。3か月に1度のペースできれいな状態を保つことができるでしょう。定期的に通うことで虫歯の早期発見にもつながります。

Q.根元の虫歯はなぜ高齢者に多いのですか?
A.高齢になると歯茎がやせて下がってきます。すると今まで歯茎に隠れていた歯の根の部分が露出して虫歯菌にさらされることになるのです。通常は唾液によって溶けた歯の表面を修復されますが、高齢者は唾液の分泌が減るため、虫歯になるリスクが高まります。

Q.なぜ根管治療にラバーダム防湿が必要なのでしょう?
A.根管治療で大切なのは細菌の除去です。ラバーダムを使用すると治療する歯に唾液が入るのを防ぐことができます。唾液には細菌が多く含まれているため、感染する恐れがあるのです。

Q.根管治療は保険診療でもできますか?
A.保険診療ではマイクロスコープを使った精密な治療をすることができません。保険診療では感染部分を十分に除去することができず、再発する可能性があります。

まとめ

歯の根元にできた虫歯を放置すると、最悪の場合歯を失うことにもなりかねません。歯の根元の黒ずみが気になったら、早めに歯科医で検査してもらいましょう。根管治療は治療期間も長く根気が必要ですが、再発させないためにもきちんと治療を完了させることが大切です。


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