ドライソケットの痛みで悩んでいる方必見! 症状・治療の基礎知識!


抜歯をした後、なぜか続く強い痛みに苦しんでいる方、非常に多いようですね。実は、抜歯後に長引く痛みはドライソケットと呼ばれる状態になっていることが原因で発生します。ドライソケットは治療を行えばすぐに症状の改善が可能です。我慢をせず、すぐに治療をしてください。しかし、正しい知識を持たなければ、せっかく治療しても再発してしまうかも知れませんよね。そこで、今回はドライソケットに関する基礎的な知識をご紹介します。

  1. ドライソケットの基礎知識
  2. ドライソケットの症状を知ろう!
  3. ドライソケットの原因について
  4. ドライソケットの悪影響とは?
  5. ドライソケットの治療法について
  6. ドライソケットの予防法とは?
  7. ドライソケットに関してよくある質問

この記事を読むことでドライソケットについて十分な知識を得ることができます。ドライソケットの原因と予防方法など、知っておくべきことが満載です。

1.ドライソケットの基礎知識

1-1.ドライソケットって何?

抜歯後、歯科医から「うがいはしないでください」といわれて不思議に思ったことはありませんか? 抜歯した直後は傷ついている状態ですから、むしろ口の中を清潔にしたほうがいいように思うのが普通ですよね。しかし、抜歯後には通常「血餅(けっぺい)」と呼ばれる、餅状に凝固した血液が傷口に付着して保護しています。いわばカサブタですね。うがいをしたり傷口を舌で触ったりすると、この血餅(けっぺい)が剝がれてしまうことがあります。すると、傷口がうまく塞がらず、内部の骨が外に露出したままになってしまうことがあるのです。この状態を、穴(ソケット)が乾いている(ドライ)という意味で、ドライソケットと呼びます。

1-2.どんな場合に発生するの?

ドライソケットは抜歯後2~4%の確率で発生し、そのほとんどが下の歯で見られる症状です。ほとんどが下の歯で発生する理由は、骨の骨密度が関係しています。上あごの骨は下あごに比べて柔らかいため比較的出血量が多いのが特徴です。そのため、血餅(けっぺい)も十分に作られます。しかし、下あごの骨は出血が少ないため、血餅(けっぺい)が作られにくいのです。

2.ドライソケットの症状を知ろう!

2-1.ドライソケットの主な症状について

抜歯後、2~3日ほどたってから痛むようになり、多くの場合2週間以上にわたって痛みが続きます。人によっては1か月以上も続くケースもあるようです。しかも、あまりに痛みが強くて口の中をきれいにしにくくなるため、食べかすなどがドライソケットに付着して雑菌が繁殖すると、急性歯槽骨炎(きゅうせいしそうこつえん)が発症することもあります。

2-2.痛みについて

痛みは非常に強く、日常生活に支障をきたすほどです。特に、急性歯槽骨炎(きゅうせいしそうこつえん)になると、市販の鎮痛剤程度ではまったく効果が出ないほど激しいものになります。症状が長く続く上、合併症のリスクもありますので、早期に治療を行うことが重要です。

3.ドライソケットの原因について

前述したように、抜歯したことでできた傷を保護するための血餅(けっぺい)が剝れたり、そもそも形成されなかったりすることで発生します。では、どのようなことが原因で、血餅(けっぺい)は剝がれ落ちてしまうのでしょうか。

3-1.うがい

出血した血が血餅(けっぺい)になるまでには時間がかかります。そのため、頻繁にうがいをしたり飲み物を飲んだりすると、血餅になる前に血が流されてしまうのです。特に、親知らずの抜歯は出血量が多いため、口の中の不快感を取り除こうとしてうがいをしがちなので注意してください。

3-2.吸う・すする

ものを吸う動作やすする動作を行うと、一緒に血餅(けっぺい)まで吸ってしまうことがあります。

3-3.指や舌で触る

昔、乳歯が抜ける際、ぐらぐらして歯が痛いのに、なぜか舌や指で触りたくなった経験のある方も多いでしょう。同じように、抜歯するとついつい患部を舌や指で触りがちです。しかし、触れば当然血餅(けっぺい)が剝れるリスクは高まります。さらに、雑菌をこすりつけているようなものなので、炎症などの原因にもなるでしょう。

3-4.抜歯当日に飲酒

飲酒をすると、アルコールは血を固める作用のある血小板の作用を低下させます。つまり、それは血餅(けっぺい)になりにくいいということです。さらに、アルコールは血管を拡張するため、血餅(けっぺい)はできないのに血だけがたくさん出るという状況になります。すると、不快感を抱きやすくなり、頻繁なうがいへつながることになるでしょう。

3-5.喫煙習慣

タバコは血をドロドロにし、血流を悪くする働きがあります。そのため、喫煙習慣を持っている人が抜歯をすると、出血量が足りず、血餅(けっぺい)にならないことがあるのです。さらに、喫煙習慣を持っている人は、同時にアルコール摂取量も多い傾向にあります。出血量が少ないにもかかわらず、血が固まりづらいという状況になるリスクもあるので要注意です。

3-6.過剰な歯磨き

口の中の不快感を消すために、ついつい歯磨きを過剰にしてしまうことがあります。また、歯磨き後にはうがいもしますから、何度も何度も歯磨きする行為は危険です。歯磨きの回数は最大でも1日2回程度に抑え、歯ブラシの毛先が抜歯した箇所に当たらないように気をつけましょう。

4.ドライソケットの悪影響とは?

4-1.放置するとどうなるの?

4-1-1.急性歯槽骨炎(きゅうせいしそうこつえん)

まず挙げられるのは、急性歯槽骨炎(きゅうせいしそうこつえん)のリスクです。前述したように、激しい痛みを引き起こします。さらに、急性歯槽骨炎(きゅうせいしそうこつえん)を放置すると、骨の一部が壊死(えし)してしまうこともあるでしょう。あごの骨まで壊死(えし)してしまうと、外科手術が必要となってしまうので早めの対処が肝要です。

4-1-2.蜂窩織炎(ほうかしきえん)

ドライソケットから周りに炎症が広がる状態のことを蜂窩織炎(ほうかしきえん)といいます。広範囲に炎症が起き、激しい痛みを伴うのが特徴です。また、発熱やだるさなど、風邪に似た症状も引き起こします。

4-1-3.歯茎の形成の悪化

ドライソケットを放置して炎症が起きると、歯茎の形成が悪くなることがあります。インプラント治療の際には歯茎の状態は非常に重要となるので、抜歯後にインプラントを考えている方は注意が必要です。

4-2.注意点

ドライソケットだと思ったら、鎮痛剤などでごまかさず、すぐに歯科医の診断を受けることが重要です。適切な処置をすることで痛みが軽減され、傷の治りも早くなります。セルフジャッジは絶対にやめましょう。

5.ドライソケットの治療法について

5-1.応急処置

最も一般的なのはロキソニンなどの市販鎮痛薬を服用することです。ただし、ロキソニンはただの鎮痛薬であり、ドライソケットそのものを治療する薬ではありません。一時的に痛みが和らいでも薬が切れればまたぶり返します。痛みが消えても放置するのはやめましょう。

5-2.病院へ行くべき症状

抜歯後2~3日して痛みだした、あるいは2~3日経過しても痛みが引かない場合は、ドライソケットの可能性があります。病院に行きましょう。また、1週間程度たっても痛みが続く場合にもドライソケットの可能性があるでしょう。

5-3.検査方法

基本的には目視によって検査を行います。ただし、ソケットに歯根や骨片、異物が残っていることが原因でドライソケットが発生することもまれにあるので、レントゲンでの検査を行うこともあるでしょう。症状が著しく細菌感染している場合、あるいは細菌感染の可能性が高い場合は、細菌検査を行うこともあります。

5-4.治療方法

まずはソケットに残っている食べかすや腐敗物などの除去が行われます。その上で、患部に麻酔軟膏(なんこう)を塗って痛みを取り除き、吸水性スポンジでふさぐ処置が一般的です。さらに、感染が悪化しないために抗菌剤、痛みを和らげるための鎮痛剤を飲みます。症状が著しい場合には、抗菌剤を点滴することもあるでしょう。これらの治療を3日に1度のペースで行えば、早期に痛みが消え回復に向かいます。3日に1度の通院が難しい場合には、洗浄用シリンジと滅菌処理食塩水で1日2~3回口内を洗浄する方法がとられることもあるでしょう。

また、再掻爬(さいそうは)と呼ばれる処置を行い、ドライソケットに血を再び満たす方法をとることもあります。しかし、この方法はわざと傷をつけて出血させる手術です。自然治癒が期待できるため、傷をつける必要はないと判断する歯科医が多いことから、あまり頻繁に採用される治療法ではありません。

5-5.注意点

前述したように、ドライソケットの治療は1度で終わるものではありません。継続して行うことが重要です。必ず歯科医の指導どおりに治療を続けていきましょう。

6.ドライソケットの予防法とは?

6-1.うがいを避ける

まずは、うがいを避けることです。うがいはドライソケットの原因の大部分をしめます。うがいの回数は1日1~3回に抑えておくようにしましょう。

6-2.ものを強く吸わない

なるべく吸う動作は抑え、どうしても吸う必要がある場合にはゆっくりと行いましょう。ストローで飲み物を飲んだり麺類をすすって食べたりしないようにしてください。

6-3.触らない

患部を触る行為は百害あって一利なしです。気になるかも知れませんが、絶対に触らないようにしてください。また、歯磨きの際にも直接触らないようにすることが大切です。

6-4.飲酒を控える

抜歯後3日程度は飲酒を避けるようにしましょう。

6-5.コラーゲンの注入

歯科医院によってやっていないこともありますが、ドライソケットの防止策として人工コラーゲンを注入することがあります。

7.ドライソケットに関してよくある質問

7-1.ドライソケットに男女差はありますか?

実は、女性の方がドライソケットになりやすいといわれています。生理中にエストロゲンなどの女性ホルモンが低下し、傷が治りにくくなるため、ドライソケットになりやすくなるのです。また、経口避妊薬には「線溶系亢進(せんようけいこうしん)」という効果があり、固まった血液を異物として溶かしやすくしてしまいます。そのため、普段から経口避妊薬を服用している方も要注意です。

7-2.ドライソケットを目視で判断することはできますか?

ドライソケットになると、患部が白っぽくなっています。しかし、ソケット部分を見るのはなかなか難しいので、やはり痛みから判断するのが良いでしょう。

7-3.人工コラーゲンとは何ですか? 安全ですか?

歯科医院で使われる人工コラーゲンはテルプラグと呼ばれるもので、牛の真皮(表皮の深部にある皮膚の一部)のコラーゲンから作られています。化学薬品を合成して作っているわけではないので、その点については安心してください。ただし、牛の皮膚が原材料である以上、狂牛病(BSE)のリスクは0%ではありません。とはいえ、ほとんど0%に近い発生率なので、気にする必要はないでしょう。

7-4.妊娠中でも親知らずは抜けますか?

妊娠すると女性ホルモンの変化や唾液の性質変化などで虫歯や歯周病になりやすくなります。そのため、妊娠中に親知らずを抜きたくなるケースもあるでしょう。しかし、ご安心ください。基本的に妊娠中でも親知らずを抜くことは可能です。ただし、痛みなどによる流産のリスクがゼロではないので、安定期に入ってからの治療をおすすめします。

7-5.治療費はどのぐらいですか?

ドライソケットの治療費は、保険適用されない状態で1回あたり1300円程度となります。つまり、3割負担の方は約430円、1割負担の方は約130円です。

まとめ

いかがでしたか? 今回はドライソケットについてお話ししました。ドライソケットは抜歯後に血餅(けっぺい)がうまく定着しなかったことが原因で起こる症状で、非常に強い痛みを発します。放置をしていると急性歯槽骨炎(きゅうせいしそうこつえん)や蜂窩織炎(ほうかしきえん)などを併発することがあるので注意しなければいけません。ドライソケットは抜歯後2~3日たってから痛み出す、あるいは3日以上痛みが続く場合に疑われます。痛みが長引く場合には歯科医に相談しましょう。ドライソケットにはいくつかの原因があり、事前に対策しておくことで防ぐことができます。抜歯を行う際には必ず原因について調べておきましょう。また、歯科医の指示には必ず従うことが大切です。親知らずを抜く際やドライソケットの症状が見られた際には、ぜひ今回の情報を参考にしてくださいね。


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