歯髄炎の治療ってどうするの? 知っておくべき6つの基礎知識!


冷たいものを食べるとキーンとしみたり、お風呂に入ると歯がズキズキと痛んだりするその症状、もしかしたら歯髄炎かも知れません。歯髄炎は放っておくとどんどんと悪化していき、最悪の場合は歯の内部が腐敗してしまうこともあります。できることなら、早めに対処したいところです。そこで、今回は歯髄炎にまつわる基本的な知識をご紹介していきます。

  1. 歯髄炎とは?
  2. 歯髄炎の症状について
  3. 歯髄炎の種類について
  4. 歯髄炎の原因について
  5. 歯髄炎の治療法について
  6. 歯髄炎と歯医者にまつわるQ&A

この記事を読むことで、歯髄炎にまつわる基礎知識を得ることが可能です。歯髄炎治療のための歯医者選びのポイントについても解説していますので、お見逃しなく!

1.歯髄炎とは?

1-1.歯髄炎ってどんな病気?

「歯髄(しずい)」とは、歯の内部にある軟組織で、俗にいう「神経」と呼ばれる部分です。歯髄炎とはこの歯髄(しずい)と呼ばれる箇所に炎症が発生している状態のことをいいます。

1-2.歯髄炎のメカニズム

細菌感染などで虫歯になったり、外部から衝撃が与えられたりすると、「神経ペプチド」と呼ばれる神経伝達物質の一種が分泌されます。この神経ペプチドは局所的に血管を拡張させたり透過性を亢進(こうしん)させたりする作用があるのです。つまり、炎症状態を引き起こします。こうして、歯髄炎というのは発生するわけです。

1-3.放置するとどうなるか

基本的に、歯髄炎は軽いものでも、自然治癒させることはできません。ですので、症状が軽いからと行って放置していると、どんどんと進行していってしまうでしょう。特に問題なのは、虫歯によって発生している場合となります。放っておくと歯髄炎と同時に虫歯が進行するうえ、菌によって傷が膿(う)みやすいからです。すると、激痛が発生するようになるでしょう。さらにその状態で放置をすれば歯髄(しずい)が壊死(えし)して、歯が抜け落ちてしまいます。最悪の場合はアゴの骨まで壊死(えし)が進んでしまうこともあるでしょう。こうなってしまうと、もはや歯科医院での治療はできません。外科手術が必要になってしまいます。

1-4.なりやすい人

やはり、1番なりやすいのは「歯磨きが不十分な人」でしょう。歯磨きは多くの人が1~2分ほどですませてしまいがちです。しかし、実際には10~15分程度は時間をかけないと、磨ききることはできません。さらに、これだけ時間をかけても、歯の裏側などに多少は磨き残しは出てきてしまいます。磨き残しが多いと、虫歯になりやすいのです。そして、虫歯になれば歯髄炎も併発しやすくなるでしょう。また、甘いものが好きな人も要注意です。当分は虫歯菌の栄養になってしまうので、虫歯を引き起こしやすくなります。歯のことを思うのであれば、ジュースやお菓子はなるべく少なくしてくださいね。また、外部からの刺激や外傷によっても発症するので、接触の多いスポーツをやっている方も発症しやすいでしょう。

2.歯髄炎の症状について

2-1.主な症状

歯髄(しずい)には神経とおっています。そのため、歯髄炎になると神経を刺激するため、激しい痛みを伴うのが特徴です。痛み方に特徴があり、ズキズキと脈に合わせて痛みます。これは、神経が血管の近くをとおっているためです。

そのほかの症状としては、知覚過敏のように、歯がしみる症状もしばしば見受けられます。また、慢性的な歯髄炎を発症している場合は痛みを感じない場合もあるでしょう。ただし、その場合には違和感や不快感をいだきやすくなります。

2-2.痛みについて

最初は冷たいものを口に入れるとしみる程度の痛みです。その状態で放置していると、一時的に症状が消えます。しかし、これは治ったというわけではありません。今度は熱いものがしみるようになり、ズキズキという痛みも発生するようにもなります。痛みは強く、不眠症などの弊害も引き起こすでしょう。

2-3.歯根膜炎との違い

似たような症状を引き起こす病気に歯根膜炎というものがあります。その名のとおり、歯根膜と呼ばれる箇所が炎症を起こしている病気です。歯根膜と母の周辺にある組織ですので、歯の内部に存在する歯髄とは全く別の場所に発生します。歯根膜はいわばクッションです。そのため、歯根膜に炎症ができると正常にクッションの役割を果たせなくなります。そして、症状が悪化すると歯がグラグラとしてきて、やがては抜け落ちてしまうのです。

ちなみに、症状の出方としては歯髄炎とやや違います。歯髄炎が脈に合わせてズキズキと痛むのに対し、歯髄炎は負荷がかかったときに集中して痛むのが特徴です。歯を押したり噛(か)んだりすると痛みます。

3.歯髄炎の種類について

3-1.急性歯髄炎とは

急性歯髄炎は虫歯などの感染が主な原因となって、発生する歯髄炎となります。症状として強い痛みを伴うのが特徴です。急性歯髄炎は重症度によって名称が変化します。冷たいものがしみるなど初期症状であれば急性単純性歯髄炎。痛みが出始めた状態では、急性化膿性歯髄炎(きゅうせいかのうせいしずいえん)となるでしょう。さらに悪化すると、急性壊疽性歯髄炎(きゅうせいえそせいしずいえん)と呼ばれる状態になります。この状態になると歯髄は完全に壊死(えし)して腐敗してしまうのです。痛みとしての症状は急性化膿性歯髄炎と同じですが、腐敗しているために悪臭を放つようになります。歯髄炎の状態で口臭が気になりだしたら本当に危険なサインなので注意してくださいね。

3-2.慢性歯髄炎とは

虫歯によって齲蝕(うしょく)が進み、神経が外にむき出しになって発生するのが慢性歯髄炎です。神経が露出することで内圧が減るため、普段はほとんど痛みが発生しません。そのかわり、刺激が加わると痛みが発生します。気が付きにくく放置されがちなので、気が付くと症状が悪化していることも珍しくありません。違和感をいだいたら、なるべく早めに歯科医院に行くことをおすすめします。

4.歯髄炎の原因について

4-1.細菌感染

歯髄炎を発症する原因で最も多いとされているのが、細菌感染を原因としたものです。特に、虫歯菌によるものが圧倒的多数となっています。そのため、歯髄炎が発生している場合は虫歯も併発していることが多いでしょう。

4-2.物理刺激

歯の治療や歯ぎしりなどによっても発生します。

4-3.外傷

格闘技や接触の多いスポーツをしていると、歯が欠けるなどの傷を負うことがあります。これによって歯髄炎を発症するケースもあるでしょう。

4-4.化学刺激

歯科治療を行った際に使われた薬剤や詰め物などが原因となって発生することがあります。

4-5.電気刺激

歯科治療を行った際に詰められた異種金属が接触することで、ガルバニー電流というものが口の中で発生します。このガルバニー電流によって歯髄炎を発症することがあるのです。

5.歯髄炎の治療法について

5-1.検査方法・診断方法

まずは症状に関する問診が行われます。その上で触診や打診・指針などを行って診断していくでしょう。さらに、レントゲン撮影・電気診・温度診なども行われることがあります。電気診とは、歯に微量の電流を流して反応を観察する診断方法で、温度診断は歯に熱いものや冷たいものを当てて反応を観察する診断方法です。

5-2.主な治療法

軽度の場合は知覚過敏の薬を塗ることで治療を行います。ただし、症状を自覚する段階ではすでに症状が進行していることがほとんどなので、薬だけは完治ができません。そのため、抜髄(ばつずい)や抜歯が行われます。抜髄(ばつずい)とは歯髄を除去することです。ちなみに、歯髄を除去した後に、歯の中(根管)の清掃や洗浄、消毒等によって痛みや炎症を抑える治療のことを「根管治療」と呼びます。

5-3.治療期間と費用

治療期間も費用も症状の進行度によって大きく変わってきます。一般的には、1つの歯あたり30,000円程度はかかるでしょう。ただし、詰め物に使う素材などによって多少値段は変わります。また、衛生管理費として、2,000円~3,000円程度かかってくるでしょう。

5-4.いい歯医者を選ぶ5つのポイント

5-4-1.設備が整っている

マイクロスコープや歯科用CTなど、設備が整っていることは非常に重要な要素です。設備が整っているということは、正しい診断と治療をしてもらえる証明になります。

5-4-2.ホームページでしっかりと情報を発信している

自分の歯科医院の強みや特色などを積極的にアピールしている歯科医院をおすすめします。なぜなら、積極的にアピールするということは、それだけ自信を持っていることの裏返しだからです。

5-4-3.電話対応がしっかりしている

歯科医院を利用する際には、多くの人が電話から予約を行うと思います。つまり、電話対応とは歯科医院にとって重要なものなのです。ここがお座なりになっているような歯科医院は避けた方が無難でしょう。

5-4-4.清潔である

歯科医院というと非常に清潔なイメージがありますよね。実際、歯科医院では清潔さに気を使っているところがほとんどです。清潔さが足りない歯科医院には、経営体質に問題がある可能性があります。

5-4-5.長く続いている

開業以来長く続いているということは、それだけ多くの人に信頼され、利用されていることの証明にほかなりません。そのため、変な治療を行われるようなリスクは低くなるでしょう。その反面、昔ながらの治療方法のまま進歩しておらず、最新の治療法や最新鋭の機器などの導入が遅れていることもあります。注意してくださいね。

6.歯髄炎と歯医者にまつわるQ&A

6-1.歯医者選びに役立つサイトはありますか?

6-1-1.デンターネット

日本最大級の、歯医者口コミサイトです。いい口コミだけでなく悪い口コミもあるので、いい歯医者を探す際に役立つでしょう。ただし、口コミという特性上、本当に正しい情報であるかどうかはわかりませんので注意してくださいね。

6-1-2.ドクターズ・ファイル

歯医者がどのような治療を行っているかや、どのような考え方を持っているかなどを知ることができるサイトです。また、口コミもあるので、歯医者を選ぶ際の参考にもなるでしょう。

6-2.利用した歯医者が気に入らなかったらどうすればいいですか?

セカンドオピニオンを行いましょう。セカンドとは「第2の」、オピニオンとは「意見を求める行為」となります。つまり、セカンドオピニオンとは、ほかの医師に第2の意見を求めることです。現在の治療法が気に入らない場合は他の歯科医院を受診し、治療が正しいかどうかの意見を求めるとよいでしょう。

6-3.子供の場合も普通の歯科でいいのですか?

普通の歯科でもかまいませんが、できれば小児歯科を受診することをおすすめします。小児を専門としているため、普通の歯科医院よりも子供に対しての知識や技術が高いためです。もちろん、必ずしも小児歯科である必要はありません。

6-4.歯髄炎に自分で対処する方法はありますか?

まずは痛み止めを飲むという対処法があります。そのほかには、冷たいもので冷やすことによっても一時的に痛みを解消することが可能です。歯髄炎は血流の流れと痛みに関係性があるので、患部付近の血流を悪くすることで痛みを抑えられます。ただし、どちらの方法も根本的な解決にはなっていません。できるだけ早いうちに歯科医院を受診することが、問題解決への1番の近道です。

6-5.根管治療ではどのような薬が使われるのですか?

根管治療で使われる薬には以下のようなものが一般的です。

  • 次亜塩素酸ナトリウム
  • EDTA(エチレンジアミン四酢酸)
  • 水酸化カルシウム
  • FC(フォルムクレゾール)
  • ペリオドン
  • クロロホルム

ただし、「FC(フォルムクレゾール)」「ペリオドン」「クロロホルム」などは発がん性の危険などがあることなどから、使わない方向へシフトしつつあります。歯科医院探しの際には、これらの薬を使わないところを選ぶのも1つの手です。

まとめ

いかがでしたか? 今回は歯髄炎の基礎知識について中心にご紹介してきました。歯髄炎とは、主に細菌感染が原因となって、歯の内部の歯髄と呼ばれる箇所で発生する炎症のことです。急性では脈動に合わせてズキズキと痛むのが特徴ですが、慢性の場合には痛みを感じないこともあるので注意しましょう。放置をしているとだんだんと悪化していき、最悪の場合には歯髄が壊疽(えそ)を起こして腐敗してしまいます。ですので、なるべく早い段階で治療しなければいけません。主な治療方法は抜歯や抜髄(ばつずい)です。抜髄(ばつずい)では歯の清掃や洗浄、消毒などを行う根管治療を行う根管治療が行われます。根管治療は大掛かりな治療になるので、できるだけ信頼できる歯医者を見つけることが重要です。デンターネットやドクターズ・ファイルなどのサイトを利用して探す事ができます。自分にあった歯科医院を見つけて、しっかりと歯髄炎の治療を行ってくださいね。


マイクロスコープを用いた精度の高い根管治療を提供